2009年10月13日火曜日

ここにも外食不況の波が。

本日は私の45回目の誕生日だった。今日このことを憶えていてくれた唯一の人が、それは私の妻なのであるが、レストランでお祝いをしてくれた。かねてからこのレストランのアールヌーボーの内装に興味があったものの、両親から「あのレストランは食事をしているすぐ脇に何人もの従業員が立ってこちらが見張られているようで嫌だった。」と聞かされていたので行ったことがなかったのだ。ここはマリアカラスやアリストテレスオナシスやロスチャイルドの直筆の書面が飾られているような由緒ある場所なのであるが、ここにも外食不況の波がやってきているのを見た。というよりも、波にさらわれた後の廃墟を見るような気分であった。オープン直後に到着し、本日最初の客として席に案内された我々がゆっくりと食事を終えるまで、次の客は一組たりとも来なかったのである。つまり、食事中は実質的にこのレストランを貸し切り状態であったのだ。私たちはあまりの客の少なさにレストランの食材の新鮮さを疑い、「おなかを壊さないだろうか。」と冗談半分に話をしたのだが、実は私は本当に心配していたのである。こういうこころもちで口に運ぶものを、たとえそれがグルメ垂涎の珍味であったとしても、美味しいと感じるのは非常に難しいものである。あなたはオマールの冷製を「どうか当たりませんように。」と半ば祈りながら飲み込んだことがあるだろうか?無論、妻には大変感謝しているのだけれど。

このレストランがこうなってしまったのには理由がある。私は、従業員、トイレ、卓上の花、グラス、メニュー、料理の盛られた皿を見て理解した。
私は、レストランのオーナーと話がしたい。
「お客を満足させなさい。あなたのレストランを誰かに薦めたい気持ちにさせるまでは、決してその客を帰してはいけない。」と。
そして、そのために何をすべきかを私は知っている。
本日の体重、55.5キロ。

オフィスプロモ株式会社 代表取締役 古荘洋光